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(最終更新日:2019年10月29日)

今回の内容

データサインエンス(DS)人材を組織化するという経営方針があったとして、どのようにDS部門やその機能を会社に定着させるかということを今回は考えてみたいと思います。結論から言うと、DS部門を社内プロフェッショナルサービス企業と位置づけ、集客からマーケティングまでを自社部門の責任の下で実行しましょうということです。それでは独立間もないDS部門がどのように最初の顧客と育っていくべきか、特に独立初期のフェーズを3つの段階に分けて見ていきます。

Phase1:イノベーターと共に育つ

DS部門を組織へ定着させたいとき、最も重要なことは「最初の顧客」への集中です。特に、新しいテクノロジーに興味津々な顧客を見極め、大切にしましょう。多くの顧客は従来のやり方を好みます。新しいことに取り組むのは面倒だからです。ただ面倒だとは言わず、従来手法の方が優れていると思うとか、新しいやり方が成功する保障はないとか、ビジネスリターンの試算が甘いなどなどオトナな言説で論破してきます。もし健全な戦いではないなと感じるようであれば、相性も悪いでしょうから無理に売り込むのは止めましょう。初期の売上欲しさに仕事を選ばないのは将来の負債になる可能性があります。ぐっと我慢しましょう。マーケットには必ず困っている人達がいます。そういう人達は従来のやり方を捨て挑戦する覚悟があります。社内独立したばかりの段階で、あなたが対処すべき顧客はこういう人達です。その中でも先述の通り新しいテクノロジーに興味の強い人達がいれば大きなチャンスです。課題があり挑戦への覚悟と好奇心があるまで全て揃えばそれは「真の最初の顧客」と言えます。その幸運を掴み成果に集中しましょう。

DS部門が自らに問うべきこと:

  • あなたにとって最も重要な顧客は誰か?
  • その顧客の課題は何か?
  • あなたのソリューションはその課題をどう解決するのか?

Phase2:アーリーアダプターへの対応

幸運にも社内イノベーターに出会えた後は、アーリーアダプターが登場してきます。社内の取り組みを聞きつけ、その斬新さや有効性に興味を持った人達です。彼らにも課題意識があり、自分で考えて行動できる人達ですから、「自分の考え」を深めるためのインプットを要求してくるでしょう。つまり、サービスを支えているソリューションの狙いやその背骨である技術情報を確認したがります。とは言え、彼らが欲している情報は「他社の成功事例」的なものではありません。彼ら自らがロジック展開するために必要な情報であり、判断を自責で行うためですから、技術的裏付けのあるDS部門であれば、むしろ良いコミュニケーションができるでしょう。ここで取り組むべき課題認識が合致したら、小さくスタートさせ、適用技術に関するフィージビリティ検証プロジェクトなどを提案するのも良いでしょう。繰り返しますが、この人達は自分で考え行動できる人達ですから、DS部門に実力があれば比較的友好的に物事が進むでしょう。拡販のチャンスになりますので実績を積み上げましょう。これが次のフェーズにおける資産になります。

DS部門が自らに問うべきこと:

  • DS人材の育成、人員ポートフォリオは戦略的に設計されているか?
  • 分析サービスやプロダクトに関するドキュメントは整備されているか?
  • フィージビリティ検証プロジェクトの提案にmesurement planはあるか?

Phase3:アーリーマジョリティの攻略

イノベーターやアーリーアダプターは社内での意思決定層や、彼らへの強い影響力をもった人たちが多いですが、社内マーケットシェア拡大に向けた一番の頑張りどころは、このアーリーマジョリティの攻略です。この層は新しいものが好きとか自分軸思考というよりは、判断軸が「権威的な軸」になっています。権威的軸とは、たとえば、競合企業は既に取り組んでいるのかとか、大学の偉い先生がどのように技術評価しているのかとか、過去類似案件で成功したのかとかとかのことです。あなたの会社の規模によりますが、大企業であるほど、普通は頼れる権威も当然大きくないといけないですから、社外に相談者を配置するなどの準備をしましょう。もし比較的若い組織であれば、Phase2の社内顧客に全社向けPRを手伝ってもらえれば十分でしょう。

いずれにせよ、社内に前向きな空気、抵抗する方が面倒な空気を作りに励むのがこのフェーズです。顧客からの問い合わせが、自ら考え行動するためのインプット収集から、より権威的な事実確認へ変化してきたら、迷わず仕込みを開始しましょう。社内向けの情報発信が重要になるのもこのフェーズと言えます。最後に、実はこのフェーズが、将来への種まきであることも付け加えておきます。特に組織が大きく担当者が若いほど、この種の事実確認なく物事を進めるのが難しいという背景があります。裏を返すと、このフェーズの顧客の一定割合は、いずれは(正しいポジションにプロモートした暁には)イノベーターやアーリーアダプターになる人達ということです。既存のサービスやプロダクトが陳腐化しDS部門として新しい挑戦をするとき、DS部門を将来支えてくれるのはこのフェーズの顧客の中にいるということを留意しましょう。

DS部門が自らに問うべきこと

  • 社内顧客の問い合わせ内容に変化は起きていないか?
  • 社内成功事例やお客様の声を集めているか?
  • 社外相談役や社内既存顧客に社内PRなどを手伝ってもらえないか?

まとめ

社内顧客を顧客のタイプ・フェーズごとにわけ、その時々の対応や注意点をまとめてみました。社外マーケットにおける事業の立ち上げであればレイトマジョリティへの対応も必要でしょうが、DS部門の社内起業の場合はここまでで十分かと思います。社内の意思決定層、またはそこへの影響力をもった層を抑えることができれば十分だからです。

最初の顧客の獲得は運もありますが社内顧客候補との対話の数が重要となります。外部からDS部門トップを召集するときには必ずNo.2に社内で長く働き信頼されている人を配置することを推奨します。そして、もっとも意識すべきことはQuick Winを作ること。真の最初の顧客への集中、小さなスタート、事前の成功の定義と検証設計がその勝率を高めるでしょう。

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