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はじめに

明確な課題と使えるデータがあってこそのAIプロジェクト。以下、後悔しない提案判断のための最後の問いかけを書いておこうと思います。心乱さずスルーできたら良いプロジェクトのスタートが切れると思います。

明確な課題

  • まずAIを抜きにして、そもそもどのような課題意識があり、あなたはそのプロジェクトをスタートさせようとしたのでしょうか。提案前後であなた自身の他者への説明の仕方は変わりましたか。変わっていないのなら、その提案過程においてあなたは特に先方から良い影響も悪い影響も受けていません。それで大丈夫でしょうか。
  • あなたの課題は相手に確実に伝わったでしょうか。相手に伝わったと思えるのはなぜでしょうか。あなたの言葉の横に、先方自身の言葉でビジネス課題がデータ課題として具体化・体系化されていますか。
  • あなたが提示した課題に対して相手はどのような質問をしたでしょうか。それらの質問によってあなたの課題認識は深まりましたか。新しい視点は提供されましたか。課題を修正しましたか。
  • AIにせよアナリティクスせよ知識集約労働です。知的相性は非常に大切です。お金で人月を増やせばどうにかなる世界ではないので、相手方との知的相性の良さを大事にしてください。相手との打ち合わせは楽しかったですか。 討議していて攻撃されていると感じましたか、良き討議パートナーと感じましたか。

使えるデータ

  • AIやこのプロジェクト抜きにして、そもそもあなたは手持ちのデータの全体像を理解していますか。データのリスト化はしていますか。データ項目定義はドキュメント化されていますか。データの主キーや外部キーを把握していますか。マスタマネジメントはどのように行っていますか。異常データはどのように除去していますか。データごとの規模(レコード数やファイルサイズ)は把握していますか。 あなたが準備できるデータの期間はどの程度ですか。
  • あなたはデータを使って、あたなが掲げたビジネス課題を定量的に表現できていますか。それともできるハズという段階ですか。そのデータがプロジェクト目標に整合しているという判断をあなたはどのようにしましたか。専門家に丸投げしていませんか。データはあなたの資産です。資産状況を把握していますか。
  • AIにせよアナリティクスにせよ、データサイエンティストはデータ状態について大変心配をしています。料理人が料理の素材にこだわるのと同じですね。あなたに提案している方は、データについて真剣に質問をしてきましたか。

プロジェクト期間

  • アナリティクスにせよAIにせよ、スタートしてみないとどのような結果になるかはわかりません。提案はリスクヘッジのための工夫がされていますか。例えば、3か月程度のフィージビリティ検証段階は設けられていますか。データが汚いのに半年や1年といった期間になっていないですか。もちろん、3か月でできることは限られます。それでも時間をかければ更に前に進めるのか、そもそもやはり難しいテーマなのかは判断できるでしょう。
  • あなたの課題の難易度を相手はどのように評価していましたか。難しいタスクの場合、タスクの分解は試みられていますか。あなたが準備できるデータはデータサイエンティストにとって許容できる状態ですか、それとも無節操な状態ですか。あなたはデータ状態と難易度を鑑み相手に適切な期間を与えていますか。あなたが提供した期間に対し、相手はあなたのリスクを最小化し成功確率を上げるために、どういったアプローチを採りたいと言っていましたか。

プロジェクトゴール

  • データ活用段階にはレベルがあります。段階を飛ばそうとする心理は、素人ほど株で一気に大きく儲けたいと思う心理に似ています。データ活用段階は大きく、①データから仮説を検証できる状態、②KPI改善のためにアクションシナリオを推奨できる状態、③アクションシナリオを自動で実行できる状態(人間はバックアップ系)という3段階に分けらます。例えば、退職予測モデルのようなシンプルなモデルであれば、ちょうど①と②の境界線に着地するようなモデリング課題と言えるでしょう。DeepMindによるGoogleのデータセンターの制御自動化などは、③の最上位層に該当すると言えるでしょう。あなたのプロジェクトはどの水準を目指していますか。段階を踏んでいますか。相手の提案は現実的ですか。
  • あなたは段階3にすぐに到達したいかもしれません。しかし、それにはあなた自身の組織も相応の学習経験が必要(または優秀な人員の買収が必要)でしょう。そのための準備や計画はありますか。相手の提案はあなたの計画と整合がとれていますか。すぐに一気にという想いに駆られるあまり、双方の計画が投資ではなく投機的な計画になっていませんか。

最後に

勝手にセカンドオピニオンをしている場面を想定し、今受けているであろう提案をあえて不安にさせるように書いてみました。全てを満たす提案になるまで打ち合わせを繰り返すようなことは不可能(時間泥棒になる)でしょうから、実際は数回の打ち合わせで、上記のような不安を双方解消するよう言葉のキャッチボールをしたものと思います。最後に、一番大切なことですので、最初の「明確な課題」に戻りますが、あなたの課題が真に自分の課題となっていれば、その課題を解決するパートナー選びの成功確率も高いでしょう。一方、課題が他人事のままだと、それはあなた自身の最高の判断ができない状態ということですから、相手云々ではなく、プロジェクトも業者選びも成功確率は低いでしょう。

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