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初手は分析要求の相互理解

ビジネスサイドから分析要求を受けたとき、優秀なデータサイエンティストほど静かなスタートを切ると思います。手は全く動かさず長考に入るためです。分析要求をする人も同じ人間。完璧な人などいません。言葉が足りない、背景説明が不足している、話しながら考えを徐々にまとめていくなどは当然あることです。ですから、優秀なデータサイエンティストほど、分析要求の背景を想像し問題を再構築するステップを設け、必要があれば内容確認を速やかに行います。

分析要求をデータサイエンスの言葉に置き換える

このような確認工程は、分析要求側と分析側の相互信頼関係を深めるのに役立ちますし、データサイエンティストがビジネス課題を正しく把握するためには不可欠な工程と言えます。そしてこの確認工程を円滑に進めるために、『正しい質問を立てる』という能力が要求されます。異なる言語(ビジネス言語と数理言語)に翻訳する訳ですから、確認のための質問を作り(そして回答も予想して)、分析要求側の回答を得て自分の理解を確かめるのです。特に活躍しているデータサイエンティストは、この段階で分析要求(ビジネスの課題)をデータサイエンスの言語に完全に翻訳できているので、初期分析や初期モデリングが期待通りの結果にならなくても、次の一手を分析要求側に適宜提言することができるのです。

翻訳能力の向上のために

結論から言うと、実務における分析要求サイドからの直接の評価、フィードバックをもらうことに尽きます。この能力開発をフレームワークなどで機械的に取り組もうとする必要は別にありません。あえて言語化するのであれば、分析要求者の立場、彼らのステークホルダー、制約、プレッシャー、分析結果を受けた後のアクション計画などを把握すべきと言えますが、各項目について学生がドリルの穴埋めをするように埋めたところで、本能力はたいして向上しないでしょう。

より重要なことは分析を終えた時、(1)問題の再構築プロセスを自分の分析タスクに含めると決めること、(2)そして分析要求者(クライアント)から直に自分の仕事へのフィードバックをもらうことです。このフィードバックをもらっている実務家は圧倒的に少ないはずです。忌憚ないフィードバックを事業部サイドからもらえる人間関係づくりから勝負です。頭が良いだけ、モデリングが出来るだけでは、データサイエンティストはとても成果を出せないと言うことです。フィードバックをもらい時には思い切り傷つく必要もあるでしょう。

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